キャンプ・デービッド

敦賀:雪の降り積もる音の記憶

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2018年1月22日・東京

雪が降り積もる音って、聞いたことありますか?

私は親の転勤先の北陸・福井県敦賀市で生まれました。幼稚園の年長で東京に引っ越し、小学校~中学2年生までは東京、また親の転勤で敦賀に戻り、高校までの1年半を敦賀、それからは東京と、結構引っ越しが多い子供時代を過ごしました。

敦賀も、今ではそうでも内容ですが、私が子供の頃は結構雪が積もっていたと思います。社宅住まいだったので、雪かきの大変さを味わっていないからか、思春期真っ只中だったこともあるのか、今振り返ると、甘酸っぱい記憶として強烈に思い出します。

いや、実は甘さはかなり控えめだったので、黒酢くらいだったかもしれません。東京の中学から途中で転校した私は、3~4ヶ月くらい、敦賀の中学校に馴染めていませんでした。東京では楽しい中学生活を満喫していたので、そこからのギャップに戸惑っていたのか、東京から来た、というちっぽけなプライドが周囲にも伝わってしまっていたのか、友達もできず、かなり悩んでいながら、親にはわからないように過ごしていたのだと思います。そんな中、パソコンもスマホもない時代の楽しみといえば、音楽、それもラジオでした。

iTunesやSpotifyがない時代、最新の音楽はTVというより、ラジオから流れてきました。中学の入学祝いに買ってもらった愛機、パイオニアのランナウェイでラジオ番組表片手にエアチェックする毎日でした。

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少しでも音質を良くしたいので、ここぞという番組を録音する時は少ないお小遣いのなかから買ったクロームテープ(メタルはさらに高くて買えない)を購入したり、テープの再生ヘッドを綿棒につけたクリーナーでこまめにクリーニングしたりしていたのですが、一番効果的なのはアンテナを窓から外にできるだけ出す、という方法でした。

うちは今の間取りでいうと3SLDKだったのだと思います。軽く反抗期に入っていた自分の部屋は、玄関入って右が洗面所・脱衣場と風呂場があり、その反対側にある3畳間でした。漆喰の壁で、冬はかなり寒くなるその小さな部屋の窓から、ランナウェイが落下するんじゃないかと思うくらい本体とアンテナを外に突き出し、真剣にエアチェックをしていたのを覚えています。

忘れられない音との出会い

エアチェックは、冬場ももちろん続きます。ラジオから流れているくる「イエロー・マジック・オーケストラ」のライブ特番をベストな音質で録音するために、雪が部屋に吹き込むのも構わず、やはり同じスタイルでエアチェックをしていました。

無事、エアチェックが終わって後始末をしているとき、窓の外で耳慣れない音が聞こえてきて、思わず耳を済ませました。それは、「サー」という、ホワイトノイズのような音でした。雪が降ると、雪自体が吸音するので、外気の音は静かになります。しかし、風もないその静寂の中で、軽めの雪が周囲一体に降り積もる音が、しっかりと耳に届いてた瞬間でした。ひどく孤独を感じさせる音だったのですが、その時の自分には、不思議と安心できる音に聞こえていたのを覚えています。エアチェックは随分前に終わっていたのに、窓の外から聞こえるその初めて聞いた音に、15分は耳を傾けていたと思います。

その体験をしてから、不思議と中学で友達もでき初め、それから卒業して東京の高校に入学するまでの1年半を、四季のメリハリが激しい敦賀の街で楽しく過ごすことができたのでした。何か、敦賀と自分の中でなにか折り合いみたいなものがついたような、静かに歯車が噛み合って動き始めたような気持ちでした。

 

48才になった今でも、16才の時に聞いたあの音を忘れることはありません。当時エアチェックしたカセットテープは、東京での何度めかの引っ越しの時に全部捨ててしまいました。でも、いまでも東京で雪が降るたびに、あの時の「サー」という音を思い出し、あのころ敦賀で過ごした1年半の記憶を鮮明に思い出します。

福井・敦賀は本当に良いところですよ!

親の転勤先だったので、親戚や当時の友達のツテもないのですが、社会人になってからも、また妻と結婚してからも一緒に敦賀を訪れています。松原海岸氣比神宮せいこ蟹ヨーロッパ軒のソースカツ丼敦賀ラーメン小鯛の笹漬け鯖のへしこ雲丹醤(ひしお)、日本酒 黒竜

ヨーロッパ軒 HPより

あぁ、お酒が飲みたくなってきました! 冬場厳しい日本海に面した福井県敦賀市ですが、運が良ければあなたも雪が降り積もる音が聞けるかもしません。美味しいものや心暖かい人が迎えてくれる福井・敦賀にぜひ一度、足を運んでみてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また!