立ち食いそば屋のことを語るのは、ちょっと勇気が入ります。
ザ・カレーそば。それ以上でも以下でもありません。そして、それがいい。
特徴として、「かけそばのうえにカレーのルーをかけて作る」のではなく、「カレーをお蕎麦のつゆで伸ばして一体化したものがかかっている」と思います。いつも、上記のように箸上げしながら何度か丼全体をかき混ぜるのですが、カレーとつゆが分離しているようなことはなく、いつも全体にスムーズにカレー部分が混ざり合っている感じです。
カレーが意外にも(失礼)本格派で、ちょっとした辛さの奥に、コクも甘みも感じられるちょうど良いバランスです。牛肉の塊も4~5個は入っていて、柔らかくて美味しいです。一方、お蕎麦の方は普通のゆでそばなんですが、これが日本とインドの友好の証というか、結晶というか、それぞれがそれぞれの良いところを控えめながら引き立てている絶妙のバランスなんです。
カレーのスパイスがこれ以上強いと、蕎麦でもラーメンでもすべてカレーが持っていってしまうし、蕎麦の味が強ければ、カレーを食べている間に、奥から蕎麦の風味が買ってきてしまってちぐはぐな感じになるところが、カレーもお蕎麦もちょうど良い、ちょうど良いところでピタ!っと止まってくれていて、そのど真ん中でカレーそばのハーモニーを安心して楽しめる、そういった仕上がりを見せてくれていました。
完食です(食後の丼を掲載してしまいすいません)。
常盤軒さんって他のホームのお蕎麦は非常に見た目も味も濃くてしょっぱい感じなんですが、このカレーそばは完食してしまっても、喉が乾いたり、罪悪感を感じるようなことは一切なく、いつも気分良く立ち去れるんですよね。「美味しいものを食べたなー」って。
そんな品川24号店さんも、ついさっき、本日の午後10時半をもって閉店してしまいました。また、あのカレーそばが食べたくなったときはどうすれば良いんでしょうか。他の常盤軒さんに引き継がれたりしないんだろうか。でも、あのカレーあってのカレーそばだからなぁ…いろいろなことを考えながら、ちょっと後ろ髪引かれる思いで店を後にしました。
ありがとう、品川24号店さん…さよならは言わないです。きっとまたどこかで会えると信じていますから。
みなさんも、もし美味しかったのに、最近行ってないお店とか、食べてないメニューとかないでしょうか。自分の年齢とか、体調でも変わってしまいますが、こうやってお店が閉店してしまうこともありますよね。後悔しないように、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(追記)翌日行ってみました
やっぱり(当たり前か)閉店していました。急になんか寂しい風景になっちゃいましたね。なぜか、シャッターに貼られたお店の名前が「23号店」になってますけど、確かに閉店ですね。しみじみ噛み締めちゃいました。
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